COLUMN

2019.06.21 不動産投資

不動産投資の利回りってなに?表面利回りと実質利回りとは

投資についてご興味のある方は、利回りについて知っているという方も少なくないでしょう。この利回りについては、不動産投資においても理解しておく知識となります。ここでは不動産投資における利回りについて説明します。今後の不動産投資を成功させるためにも、これを機に利回りについておさらいしましょう。

利回りとは

利回りとは、投入した資金額に対して、利益がどのくらい出るのかということを表した割合のことです。例えば、利回りが5%なら20年で元が取れることになります。つまり、利回りが高ければ高いほど収益率の高い物件ということになります。投資対象を検討するうえでは大切な指標ですので、概要や計算方法については知っておくとよいでしょう。

利回りは大きく分けて「表面利回り」、「実質利回り」の2つがあります。実際に投資をするに当たっては「実質利回り」が重要になります。ただし、借入をして投資をするという方は、もう1つ「借入金返済後利回り」についても概要や計算方法を知っておく必要があるでしょう。不動産投資をする多くの方は金融機関からお金を借り入れることになりますので、この3つの利回りについて知っておくとよいというわけです。

1:表面利回り(グロス利回り)

表面利回りとは、満室状態を想定して賃料収入を計算したときにいくらの利益率となるのかを知るというものです。満室の状態で計算すること、支出が計算されていないということに注意が必要となります。表面利回りは割合が大きな数字になりやすく、一見すると好条件の物件に見えることが多いという特徴があります。よく広告に出ているような利回りは、この表面利回りであることが多いので、その数字を鵜呑みにしないようにしてください。

表面利回り(グロス利回り)=年間賃料収入÷(不動産購入価格+購入時の諸費用)×100

2:実質利回り(ネット利回り)

実質利回り(ネット利回り)とは、購入したときの費用やランニングコスト(税金など運用にかかる費用)を加味して計算した割合のことです。不動産投資をするにあたって、基本的にはこの実質利回りが大切になります。表面利回りではなく、この実質利回りが大切だということだけでも覚えていただければと思います。

実質利回り(ネット利回り)=(年間賃料収入-年間支出)÷(不動産購入価格+購入時の諸費用)×100

3:借入返済後利回り

借入金返済後利回りは借入返済後利回り、実質利回りの計算式に借入の支払いを加味したものです。全額キャッシュで不動産購入をした場合にはこの利回りは無視して構いません。しかし、借入として不動産を購入している方が多いでしょうから、この利回りの計算方法は無視できませんね。不動産で得た実質の利益(賃料収入から管理などにかかる支出と借入返済額を引いたもの)を不動産の価格で割って100をかけると、その時点での利益率が分かるというわけです。借入を完済したあとには、実質利回りの計算式を使ってください。

借入金返済後利回り ={年間賃料収入-(年間支出+年間借入金返済額)}÷(不動産購入価格+購入時の諸費用)×100

利回りってどのくらいになるの?

利回りがどのくらいになるのかなんとなく相場を知っておくのも重要なことですね。参考程度にはなりますが、投資家の考える期待値を込めた利回り予想をアンケートした一般財団法人日本不動産研究所「第39回不動産投資家調査(2018年10月現在)」によると、ワンルームタイプのマンションにおける期待利回りは以下の通りです。

東京都の城南エリア(品川区や目黒区など)の期待利回りは、4.4%
東京都の城東地区(墨田区や江東区など)の期待利回りは、4.5%

地方都市の利回りは?

地方のほうが物件の価格は安いということもあり、地方都市の不動産利回りについても知りたいという方のために期待利回りを見ておきましょう。先ほどと同様にワンルームタイプのマンションとなります。

札幌の期待利回りは、5.5%
名古屋の期待利回りは、5.1%
大阪の期待利回りは、4.9%
広島の期待利回りは、5.8%
福岡の期待利回りは、5.2%

繰り返しますが、これは投資家の期待値を込めた数字となっているので、実質の割合ではないということに注意が必要です。また、そのエリアの利回りが高くても、実際に空室となるような立地や建物であれば、この数字は意味をなしません。つまり、物件を選ぶときに利回りだけを見てはいけないということです。

参考:一般財団法人日本不動産研究所「第39回不動産投資家調査(2018年10月現在)」

実質利回りとローン返済後利回りを計算する際に必要な年間支出とは

表面利回りは計算しやすい反面、理想の数字でしかなく、実際のキャッシュフローとはかなり離れた数字となるでしょう。そのため、実質利回りやローン返済後利回りを計算することが大切です。その計算に必要となる年間支出に当たるものにはどういったものがあるのか紹介しておきます。

■管理費・修繕積立金
■固定資産税・都市計画税
■火災保険・地震保険
■修繕費
■リフォーム(リノベーション)費用
■物件の仲介手数料

以上のものが年間の支出となります。

利回りを上げる3つの方法

方法1:土地・建物の価格を抑える
利回りを上げるには、土地・建物の諸費用を抑えることがポイントとなります。土地や建物は一般的には公開されず、不動産会社や不動産投資会社のみ情報を得ているものなどがあります。実は取引されているものの30~40%ほどは非公開の物件です。こうした物件は多くは売り急いでおり、公開している不動産よりも安価で販売されています。 こうした非公開情報を多く知り得ることのできる不動産投資会社を選ぶことで、土地・建物の価格を抑えることも可能です。

方法2:不動産購入時の諸費用を抑える
土地・建物の価格だけでなく、不動産購入時にかかる諸費用を抑えることも利回りを上げるコツとなります。諸費用には以下のものがかかります。

■登録免許税
■不動産取得税
■司法書士への支払い
■印紙税
■土地取得や建築、物件の管理をする会社にかかる手数料

この中で節約できるものとして、最後に挙げた「土地取得や建築、物件の管理をする会社にかかる手数料」があります。土地取得は会社Aに頼み、建築は会社B、物件の管理は会社Cに頼むといった方法の場合、それぞれの会社に手数料を支払う必要があります。ワンストップで土地取得から建築、物件の管理に至るまでサポートしてくれる会社であれば、手数料を軽減することができるでしょう。

方法3:空室を作らない
いくら満室時の利回り(表面利回り)がよくても入居者がいないのであれば、家賃収入は得られません。ですので、空室を作らないということが重要です。空室を作らないためには、人気のあるエリアを選ぶこと、それから人気のある建物を選ぶことが挙げられます。その調べ方は様々ですが、地方は人口減少しているのに対して、都道府県別の人口増加率で1位を誇る東京都は今後も不動産の需要が増えていくことが予想されます。つまり、地方に物件を持つよりも東京都内の物件を探すほうが入居率が高くなりやすいということです。また、新築やまだ建てられたばかりの物件であれば、人気が高いというのは言うまでもないでしょう。

以上、利回りの概要や計算方法をご紹介しました。不動産投資をするに当たってはこの利回りの概要と計算方法を知っておくことが大切です。とはいえ、入居者の増減に伴ってこの割合が変化するということに注意しておいてくださいね。

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